電子版黒歴史ノート

愛と誠実のカンパニュラ(完結済)

おおざっぱな時系列上位存在ウパラ編(0章1)

 …まだこの世に何もないとき、一つの炎だけが静かに揺らぎ、燃えていた。

 だが、その炎は一匹の鳥となり飛んで行き、この世に光をもたらした。

 そして、その光によって生まれた最初の命が上位存在の始祖、ウパラであった。

 ウパラは生まれた瞬間に見えた炎の鳥を「神獣」と呼び、ウパラは火の鳥を捕まえて、その神獣を元にしてコピーを5体生み出したが、コピーは炎の鳥の姿を保つことは出来なかった。

 それでもなお、コピーの神獣も強力な力を持っていたが、あまりにも強力すぎて制御が困難とされる一部の神獣には制御装置として赤い鎧を装着させられていた。

 また、この時にまだ神獣は真の名を呼ぶ者に力を与えるだけで明確に自分の意思を持たない存在だった。

 

 やがてこの世は炎の鳥が発した光の影響によって次々と新たな星や上位存在、他の生命が生まれるようになっていくが、上位存在だけは神獣の力をウパラによって与えられているため特に強大な力を持っており、上位存在のほとんどはその強大な力を試す為に他の命を弄ぶようになっていった。

 2番目に生まれた上位存在のジエムはその強大な力で豊穣を齎し、人間に恵むが、その代わりに人間達を家畜のように扱い、中でも気に入らない人間を死の恐怖を味合わせるために、生きたまま食い殺していた。

 そして、人間が歯向かった時はその星ごと滅ぼすか、人間をほとんど減らした後に豊穣を齎した星を一瞬の内に飢餓の星に変えてじわじわと滅びる様を楽しんでいた。

 だが、上位存在の中でも3番目に生まれたウルツアだけは生命を弄ぼうともせずに、人間には無条件で化学を提供していた。

 しかし、ウルツアは他次元を研究する科学実験中の事故によって姿を消してしまう。

 だが、ウルツアの科学によって他次元の世界が見つかり、その中で最初に見つかった白黒の世界をウパラが管理するようになっていた。

 そして、ウパラも他の上位存在達が力を試す為に命を弄ぶ様を見て真似するようになり、逆らう者や気に入らない者は上位存在であろうとも殺戮していった。

 それによって上位存在には全くもって他の生命を守ろうとするものは現れなくなってしまった。

 ウパラは血も涙もない邪悪の化身と言えるような存在となり、もはや他の上位存在さえも恐れ戦く存在となっていったが、ジエムはそんな圧倒的力で存在証明をするウパラを気に入っており、どちらが命を多く狩れるかを競っていた。

 しかし、ウパラはある時に人間の子供に手を出し、その子供を死ぬ寸前にまで痛めつけ、苦しむ様を楽しむつもりだったが、子供はほっとけば死ぬ運命にあるというのに必死に生きようとするその姿を見て、ウパラは自分以外の生命にも共通して存在する「心」というものに気づく。

 それ以降、ウパラは命を奪わなくなり、生命を見守る穏健派として変わっていく。

 しかし、ジエム達のように命を奪うことで力を示し存在証明をする強硬派も同時に出来ることになっていた。

 だが、上位存在の穏健派でもウパラという強大な存在の影響によって強硬派の上位存在の数は次第に減っていた。

━━━━そして、上位存在の中でも穏健派のウパラが上位存在を制していた時代が長く続き、ウパラは他の生命が暮らす白黒の世界を隔離して静かに見守っていた。

 

………

 

 しかし、そんな平和も長くは続かずに、上位存在でも強硬派勢力のジエムが秘密裏に力をつけていて、突然ウパラ率いる穏健派を襲撃し、上位存在の穏健派はことごとく殺されてしまった。

 上位存在の穏健派はまるで戦闘訓練を受けていないため、少数精鋭の強硬派によっていとも簡単に壊滅状態にされてしまった。

 しかし、ウパラだけは強靭な生命力で生き残ったものの、上位存在の世界はジエム達、強硬派によって支配されてしまった。

 だが、ウパラは必死の抵抗によって、ジエムの封印をし、他の強硬派の上位存在と長きにわたる戦闘を行った。

 そして、ウパラとの戦闘を横目に白黒の世界に一体の上位存在スファレラが侵略しに行ったが、ウパラは見逃さずに、抵抗として自らを含めた、上位存在から神獣の力を引き離すことにし、神獣に最後の命令として、認めた者以外に力を与えないようにし、スファレラは神獣を味方につけたブラックによって敗北し、上位存在の力を得たブラックによって世界の仕組みが変わることとなった。※1

※1「おおざっぱな時系列 黒面編(0章2 始まりは白黒の戦士にあり) - 電子版黒歴史ノート」にて一部を簡略的に説明。

 その間、ウパラは多くの上位存在に囲まれながら抵抗をするも、上位存在でもジエムの次に強力であったとされるエメルドによって討伐されてしまう。

 その後に、ウパラ亡き後の上位存在の世界で、ブラックは唯一の神獣を駆使する上位存在として、ほかの強硬派の上位存在達と戦い、強力な上位存在に対しては自らの力と引き換えに封印することで対応していった。※1と同じく

 しかし上位存在は何体かA世界(B世界と分離する前)、C世界へと侵略しに行っていたが、A世界に侵略しに行った上位存在アクロア(ジェネシス)はA世界の美しさに心打たれ、世界を傷つけるのを恐れ、己の力をほとんど封印することになった。

 そして、アクロアと同じくA世界の侵略を行おうとした上位存在メジスト(漆黒龍凰)は手始めに地球へと降り立ったが、ジエムやエメルドに従わされていただけで強硬派でもなかったメジストは降り立った地球に着いた途端に侵略する気を無くし、寝ることになった。

 最後にD世界へと侵略に行ったギョクはD世界を侵略していたが、後に創造神ケリオスによって敗北することになる。